今年1月、父がこの世を去りました。98歳の誕生日を一緒に喜び合った6日後の、あっけない別れでした。
昨日は妄言頻発で心配したけど…
元気に98歳を迎えたわ♡
パパおめでとう!
今年もこの笑顔を残せて嬉しい😊#北野基地物語 pic.twitter.com/uCv6HwL3QE— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) January 4, 2021
11年前に母が亡くなって以来、父は実家で一人暮らしをしていました。1971年に父が建てた実家は今年でちょうど50歳。あちこちが経年劣化しているし冬はとても寒い家でした。
それでも父は最後まで「俺はここで死にたい、ここで死なせてくれ」と言い続け…その望みは叶えられたのです。
父の最後の望みを叶えた実家。50年分の家族の思い出が詰まった実家。私を含めたきょうだい5人の誰かが引っ越して来れば実家を延命出来たのでしょう。けれどそれぞれに「今の生活」があります。
結果、実家は解体。更地にして売却することになりました。
どんなに大切で愛おしいものであっても、カタチあるものを永遠に残すことは出来ませんよね。それに…永遠じゃないから愛おしいと思えるような気がします。
実家の解体が決まったとき、私の中には寂しいとか悲しいとかという気持ちはほとんど湧いてきませんでした。むしろ短期間のうちに売却が決まって良かったとさえ思っています。
少し先と今にフォーカス
そんな風に思えるなんて、浅野さんて割り切りの強い人だねって思う人がいるかも。たしかにそういう面はあります(笑)
ただ…自分なりに分析したところでは「少し先と今にフォーカス」して親と接してきたから、そう思えるのかも知れないです。
・会えるときに親に会いに行こう
・電話や手紙で沢山言葉を交わそう
・写真や動画で楽しい時間を記録しよう
親に会いに行くなんて仕事が忙しいうちは無理。そう考えてしまうと親のことはいつも先送り。でも親と自分を取り巻く状況はどんどん変わるでしょう?。
親が元気だからこそ会いに行く。会えないときは電話や手紙で言葉を交わす。楽しい時間は記録して後日一緒に見て楽しむ。
親が病に伏してからじゃなく、今ね。
親が元気なうちに沢山時間を共有出来たおかげで、実家に対して「もっとこうしたい」という感情は起きてこないんじゃないか。自分ではそう結論づけています。
カタチは消えるけど…
幸いにも家族が(たぶん)理解してくれて、私は年に何度も帰省出来ました。そして記録も出来ました。
そして今年も父と一緒に
「ゆく年くる年」
ありがたいな
ここに記録しよう#北野基地物語 pic.twitter.com/E66NX0FlEU— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) December 31, 2018
モノはさほど欲しくなくなってきた。
想いと事実を残したい欲は沢山ある。
二日早い父の誕生日祝い。
素直に喜んでる姿を残そう。#北野基地物語 pic.twitter.com/43tibmkHHM— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) January 2, 2019
いつか無くなる景色を記録したい。仏壇にお線香をあげる父の姿をパチリ。
10年間一人暮らしてても心折れずにいられるのは…姉たちの介護のおかげ。
そして父の心の持ちようかな?素直な心、感謝の心、物事を良い方に捉える心。私もかくありたい。#北野基地物語 pic.twitter.com/vkSAy3ZR4y— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) June 1, 2019
『庭』って人が作った素晴らしい文化の一つだと思う。
鳥のさえずりを聞いて心を鎮めたり、植物の姿・香りから着想を得たり。
はぁ〜落ち着くわ〜♪
そんな気持になれるのは、人も自然の一部だからなのかもね。今日は全国植樹祭なんだって。#北野基地物語 pic.twitter.com/g0lNsiz1Lx— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) June 2, 2019
朝日が当たる定位置でうたた寝中の父。時々目を覚ましては…
「君に裾上げしてもらったこのズボン重宝してるよ」
「そういえばカズは釧路で自炊してるのか?」と話題を提供してくれる。相手とのいい関係作り。自分から動くことで始まるんだよね。#北野基地物語 pic.twitter.com/MbHFc0scWf— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) November 24, 2019
ナントカ宣言が出るわ寒いわで動きが鈍い朝。一週間前の風景を見てウォーミングアップ♨️映像を見るって温かい飲み物を飲むみたい♡#北野基地物語 pic.twitter.com/iJjiHe4dDF
— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) May 16, 2021
実家が取り壊されるまで二週間。#消えゆく実家 をココに残そう。
飲めば帰宅は深夜の私😅家人を起こさないよう自室に入るまで照明は点けなかった。真っ暗でもこの階段はスイスイ登れたっけ。忍び足で数え切れないほど歩いたな、この階段。#北野基地物語 pic.twitter.com/UtapJ3BW1R— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) July 19, 2021
実家はまもなく消えます。けれどこの先いつでもその姿を、そこで交わされた言葉を、思い出させてくれる画像がココに残っています。
サヨナラのセレモニー
記録が残っている。そうは言っても、お別れにはセレモニーが必要。そこを境に心の中を切り替えるような場がね。
両親が生きていた頃の食卓のように、きょうだい揃ってワイワイとお喋りしながらのバーベキューを実家の庭で楽しみました。
東京オリンピック期間中の暑い暑い日。延々6時間続いたファイナルバーベキュー。
#消えゆく実家 のファイナルバーベキュー、札幌在住チームの準備がハンパない😍#北野基地物語 pic.twitter.com/fA9g6rFft6
— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) August 1, 2021
そして…バーベキューが終わったら我が家の恒例行事。サヨナラ記念撮影です。
帰る時は玄関前で写真を撮るのが我が家の習慣。だから最後も撮りました。きょうだい五人揃って撮りました。
パパ、ママ、50年間ありがとう。#北野基地物語 #消えゆく実家 pic.twitter.com/SSaGh6cuxN— 浅野葉子♡画家ときどき事務機屋 (@karimeroyoko) August 1, 2021
父が亡くなって7ケ月。笑顔で実家とサヨナラしました。
年内にはこの場所に新しい家が建って、若い家族の新しい歴史が刻まれるはず。実家は消えるけれど、消えることで新しいものが生まれる。それが分かっているから、なおさら寂しさを感じないのかも知れないな。今このブログを書きながら思いました。
親を送り、実家とお別れして…次は自分の行く先のこと、少し先のことにフォーカスする番。おかげでいい人生送れましたって、親にありがとうを言えるような余生を送ろう。消えゆく実家に想いを馳せながら今そう思っています。
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