『 浅野さんは何故着物が好きなの? 』このあいだ、お友達にこう聞かれました。
着物を着るようになったのは最近のこと。しかもまだ数回しか着てないんですけどね。その姿を投稿したり・されたりしてるから、浅野=着物好きというイメージを持ってもらえたみたい。実は、着物だけじゃなく和のモノやコトが好き。理由は、一言であわらすと『 憧れ 』です。
↓ こういう世界が大好き
憧れの国、ニッポン
『 釧路という異国 』なんてキャッチコピーもあるほど、北海道の中でもとりわけ異国情緒を感じるマチ釧路。まるで北欧みたい( って行ったことないけど… )な気候や景色の中に住んでいると、季節の風物詩や習慣みたいなものが、いわゆるニッポンとは少し違う。いや、かなり違うと言えるかもね。
千葉県出身の両親が聞かせてくれた子供時代の暮らしや習慣。私が本で見てきた昭和前半の一般的なニッポンの文化。まぁ、年代の違いも大きいんでしょうけど、今の私の日常とは随分違うものだなぁって思うコトしばしばです。
人は自分と違うものに惹かれる…というワケで、年を追うごとに、両親が若かった頃の暮らしへの憧れが強くなってきてます。
↓ 母が亡くなって、さらに憧れが強くなったなー
知恵を使う楽しさ
当時の暮らしのすべてが今よりいいとは思っていませんよ。私が特に好きなのは…
今よりゆっくりした話し方や所作。(着物好きの理由の一つがココ)明るすぎない照明。自然に寄り添った暮らしの知恵。手元にあるもので工夫する知恵。
そう、特にこのモノじゃなく知恵のところ。知恵を使って、自分の手を使って、丁寧に暮らしていたように思えるところが好きなんです。
当時は今ほどモノが無いから、知恵で乗り越えざるをえなかった部分も大きいですよね、きっと。逆に今はモノが十分にあるから、たまには知恵を使ってみたいなんて呑気なことが言えるのかも。
でも、好きの理由って言葉にすると言い訳みたいな感じ。とにかく、ちょっと前の日本人の知恵みたいなことを、自分で使ってみるのが楽しくて仕方ないんです。
聞きたいときに親は無し
そういう知恵って、特に衣食に関することが多いです。その知恵は母親から直接聞くことが出来るのがベストなんですけど…私の場合ほとんど聞けなかった。結婚するまではずっと実家で暮らしていたのに、出張・残業・飲み会・遊びの連続で私が家に居ないんですもん。
母がつけていた家計簿にその日の出来事を少し書けるメモ欄があったんですけど、土日は『葉子は今日も出かけた』みたいな記述がけっこうあって…母は随分とさみしい想いをしていたみたい。
結局、暮らしの知恵を何も聞くことがないまま、母は6年前に亡くなってしまいました。私って、母から何を受け継げたのかなぁって思っても、頭に浮かぶものがない。そして、今ではもう母に聞くことも出来ない。
だからせめて、母が生きていたら教えてもらいたかったコトや、一緒にやってみたかったコトを今さらながらやっている。そんな感じです。
去年から作り始めてる梅酒もその一つ。梅酒なんてお店に行けば何種類も売ってますよね。でもあえて、季節の食材に自分の手をかけて作ってみたいんです。
ググれば何でも分かる時代。でも母親の味や知恵は検索しても出てきませんよね。あのとき聞いておけば良かったわって、私みたいなことにならないように、折あるごとにお母さんに聞いておくといいですよ。
今日は後悔している熟年者の経験からの一言でした!
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